キャンピングカーの気になる真夏のエアコン事情_寝苦しさの本質
更新日:2022年4月18日
訪問ありがとうございます。
夏の暑さを感じる日が徐々に増えてきているこの季節。
キャンピングカーのご利用や購入を検討している方でしたら誰もが気になる
真夏のエアコン(クーラー)事情について今回はお話ししてみたいと思います。
まずキャンピングカーで室内を冷却する装置としてよく使われている機材は
概ね二種類です。
※ポータブルクーラーなど部分的な冷却要素がある機材は考慮から外します。
■エアコンの種類
①リアエアコン(リアクーラーと言うことも)
②家庭用エアコン

①リアエアコンは簡単に説明するとクルマのカーエアコンの装置を後部室内にもう一つ増設したようなものです。
その特徴は・・・
・エンジンを回して、カーエアコンを作動させている時だけに使うことができる。
・エンジン動力をメインとしているのでサブバッテリーの消耗はない。
・同様の理由から外部電源を必要としない。

②家庭用エアコンは文字通り、ご家庭内に設置されるエアコンをキャンピングカーに装着しています。
その特徴は・・・
・外部電源に接続しないと動かない。
・若しくはサブバッテリーの電圧が残っている範囲で使える。
・かけ始めの消費電力が大きい。
・急速充電システム等を別途搭載する
一部車両の場合はエンジンをかけることで使い続けることができる場合がある。
ちなみに①②両方を搭載している車両はあまり見かけません。
それぞれの特徴からキャンピングカーをどのように使うかによって必要性が変わってきます。
■利用シーン

□真夏の渋滞
時期や行き先にもよりますが移動中の渋滞はどこででも遭遇する可能性があります。
そしてキャンピングカーの広い室内は運転席側のカーエアコンだけだと十分に冷却されない可能性があるので室内側にもエアコンのニーズが高まるシーンです。
-①リアエアコン
まずリアエアコンの場合ですがエンジンを動力としていますので問題なく作動します。もちろん効果的な冷却が期待できます。
エンジン動力をエアコンにもまわすのでその分燃費には影響しますが燃費よりも暑さ対策が優先されるシーンなので許容ということになります。
-②家庭用エアコン
一方、家庭用エアコンの場合はサブバッテリーの容量や残電圧に依存します。
出発初日は恐らくサブバッテリーの充電が100%に近い状態の場合が多いと考えられますので快適に過ごせるのではないでしょうか。
しかし二日目以降の場合はどうでしょう。例えば前日の就寝時にサブバッテリーでエアコンを使用していた場合、朝方には残電圧が低下していることが考えられます。翌朝の走行で充電を期待していた矢先に午前中から渋滞に遭遇したなどの場合、残電圧が低下した状況だと十分に動作せず室内が冷却されない可能性があります。
もちろん前日に外部電源へ接続できる環境で使用していた場合はこのような心配はありません。

□休憩・就寝時
車を駐車して身体を休めるときのの場合はどうでしょうか。
-①リアエアコン
就寝時は一般的にはエンジンを止めて休むのでリアエアコンは使えません。
よほど寝苦しい場合はエンジンを回して使うこともできますが騒音が迷惑になるような場所に駐車している場合は苦情の原因になる可能性があるのでモラルある判断が必要となります。
-②家庭用エアコン
対して家庭用エアコンはサブバッテリーで動かせるようなら問題なく快適に過ごすことができます。
ただし高速道路のサービスエリアや道の駅の駐車場など外部電源からの電力供給ができない場所の場合はサブバッテリーの残量の範囲での稼働となります。更にはバッテリーの残電圧が無くなってしまったらエアコンが止まるだけでなく、冷蔵庫など他の機材に必要な電力も失われてしまうので使い切ることをに恐らく躊躇するでしょう。
■行き先で考える
今度は行き先によるエアコン機能の必要性自体について考えてみました。
キャンピングカーの利用目的は様々なので一概には言えませんが、沿岸部か山間部に分けて考えてみます。

□沿岸部
沿岸部は標高が低い場所にありますから真夏の夜は相対的に気温は高めです。
特に市街地の場合は日中の熱が蓄積しているので寝苦しいことが容易に想像できます。
一方で郊外の場合はどうでしょうか。特に海風が通るような場所の場合、一般家庭でも網戸でお休みされているイメージがありますので扇風機などがあればエアコンの必要性は市街地ほど高くないかもしれません。

□山間部
山間部の場合は標高が高い分、気温は下がります。特に避暑地と呼ばれるような地域やキャンプ場などの自然環境が豊かなエリアは夕方から気温が下がりやすく夜露も降りるのでエアコンが無くても寝苦しくなる可能性は低いでしょう。
ただし盆地のような地形のところは日中の熱気が残りやすい可能性が考えられます。
■扇風機はコスパに優れている~寝苦しさの本質
続いてエアコン以外の方法で補う対策です。考えられる機材はもちろん扇風機です。

少し話しが反れますが寝苦しさを感じる本質とはなんでしょうか。
それは、高温と高湿そして空気の停滞です。この三つの条件が揃うと人は暑苦しさを感じます。逆に言うとどれか一つでも対策ができると暑苦しさは軽減されるのです。
その観点で考えてみると停車中のキャンピングカーで扇風機を活用することは理にかなっています。

・扇風機は消費電力がとても少ない
一般的なエアコンは室内を設定温度に近付ける工程で2000~3000wh以上の大電力を消費します。設定温度に到達しても100wh程度の電力を消費するシーンが普通に考えられることに対し、サブバッテリーは大型のもので一つ1000wh程度ですからトリプルバッテリー搭載車(3000wh)でもいかに負担が大きく、外部給電なしでは停電のリスクが高いことが分かります。
一方で扇風機の場合は全く逆です。消費電力は概ね5~30wh程度ですので節電に極めて優れいることが分かります。
仮に2台を最大風量で一晩中、稼働させても480w(=30wh×2台×8時間)程度の消費電力となりますのでサブバッテリーでも余裕のある稼働が期待できるのです。
■シーズンで考えてみる

最後にエアコンを必要とするシーズンです。
一年のうち寝苦しく感じるような季節は8月です。長く考えても7月下旬と9月上旬を足しておおよそ2ヶ月です。
こう考えてみた場合、一年を通じて10ヶ月~11ヶ月間はエアコンはあまり必要とせず、実は需要が少ない装置という見方も出来ます。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。普段、市街地で生活している我々にとって必需品というイメージが強いエアコンですが、目的・行き先・季節によって何を選ぶか、あるいは必要か不要かが変わってきます。
また消費電力を踏まえた合理性で考えた場合、エアコンだけが必ずしも唯一の選択肢ではないことも分かりました。
特に山間部によく行く方は必要とする期間や機会が少なそうなエアコンよりも、寒さをしのぐ期間が長くなるのでFFヒーターのような暖房設備のほうが重要です。
キャンピングカー選びをする時は装備品が多いほうが確かに便利であると言えますが、
メリット・デメリットをよく見極め、本当に無くては困るものかどうかと調達コストを
踏まえて検討してみることが大事なのではないでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。