top of page

【ご利用は計画的に】キャンピングカーのサブバッテリーと消費電力の裏事情

更新日:2022年4月18日


訪問ありがとうございます。

快適なキャンピングカーで日本中を自由気ままな旅にでかける。多くの方が一度は考える夢ではないでしょうか。そんなマインドをお持ちの方が増えているせいかキャンピングカーは10年以上連続で新車登録台数が増加し続けています。このブログをご覧頂いてる読者の方にも購入やレンタルをご検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

今日はキャンピングカーで快適に過ごすために疎かになりがちな「電力源」ついてお話ししてみたいと思います。


 皆さんは「キャンピングカーで快適に過ごす」ために重視するポイントは何ですか。


 「居住性」「寝心地」「運転のしやすさ」「手入れが楽」「経済性」などなど様々視点や考え方があると思います。

そのなかでキャンピングカーという選択肢を選ぶのであれば、誰もが重視するポイントの一つはやはり「居住性」だと思います。



■「居住性」と「電気」の関係

 一言に「居住性」とは言いますが考えてみると実に曖昧な表現。

人それぞれにイメージが異なります。

そこで私の場合の居住性とは何かを考えてみました。


 それは「広さ」「レイアウト」「装備品」「電力」ではないかと考えてます。

「広さ」と「レイアウト」は車輛を選ぶ際に確定するのに対して、

「装備品」とそれを動かす「電力」は購入後でも比較的柔軟に変更が出来ます。


 そして「装備品」と「電力」を検討する場合、実際の使用感が想像できる「装備品」のほうにまず目がいきます。そしてそれは間違いでは無いです。

ただし「電気製品」を装備する場合は「電力」も併せて気にしておかないと後で後悔することになります。


つまり「消費電力」と「稼働時間」という課題です。


■家電と消費電力

 まずキャンピングカーによく導入される電気製品はどんなものがあるのかを確認してみましょう。平均的な消費電力順に並べてみるとこんな感じになります。

※製品によって異なります。

---------------------------------------------------

・照明(5~20W×個数)

・換気扇(3-50W)

・FFヒーター(15-30W)

・扇風機(20-50W)

・冷蔵庫(20-60W)

・テレビ(30-60W)

・水道ポンプ(50-100W)

・電子レンジ(600-1000W)

・エアコン※冷房(100-1800W)

・エアコン※暖房(100-2000W)

---------------------------------------------------

 この中で照明、冷蔵庫、水道ポンプ、換気扇はキャンピングカーに乗るうえでほぼマストなアイテムになります。どれも消費電力は比較的少ないのが特徴です。


 ただし冷蔵庫は基本的に24時間稼働させるものなので夜間の消費電力量(Wh)には注意が必要です。冷却レベルを不用意に強くしておくと夜間に電力を消費し過ぎてしまい、朝起きたときに残電圧が低下して他の電気製品の使用や冷蔵庫そのものの使用に支障がでるなんてことも考えられます。


 私は以前のキャンピングカーで就寝中にサブバッテリーの残電圧が低下してしまい、朝起きたら氷が解けて飲み物も温くなっていたという経験をしました。


■「ご利用は計画的に」

 では電力源の導入を考える際、どんな点に注意を払うべきでしょうか。

それは次の四つです。

------------------------

①蓄電量(バッテリー)

②インバーター

③供給源と充電力

④コスト(費用対効果)

------------------------

1.蓄電量(バッテリー)

 車内で電源を使うサブバッテリーの蓄電量は容量×個数で決まります。

比較的大きめのバッテリーだと容量が一個当たり100Ahなので蓄電量は以下の計算式になります。

---------------------

12V×100Ah=1200Wh

---------------------

 これは10Wの電気製品を約120時間稼働させる能力です。

このバッテリーを3つ装着すると蓄電量は合計で3600Whになります。


例えば冬の車中泊で考えた場合の稼働時間は以下のようになります。

 【前提条件】

  ・蓄電量 :3600Wh

  ・就寝時間:6時間

  ・稼働製品:FFヒーター(20W)、冷蔵庫(20W)、換気扇(10W)

  ・合計電力:50W


 このような条件で就寝した場合、朝起きるまでに消費する総電力は50W×6Hで300Wh

サブバッテリーの総蓄電量が3600Whですから単純計算で8.4%の消費で済みます


 これなら起床後、電子レンジなどを動かす電力が十分残っていることが期待できます。


一方で熱帯夜でエアコンを稼働させた車中泊の場合はどうなるでしょうか。

 【前提条件】

  ・蓄電量:3600Wh

  ・就寝時間:6時間

  ・稼働製品:エアコン(150W)、冷蔵庫(30W)、換気扇(10W)

  ・合計電力:190W


 この条件で就寝した場合、朝起きるまでに消費する総電力は190W×6Hで1140Wh

サブバッテリーの総蓄電量が同じなので単純計算で31.6%を一晩で消費することになります。


【重要】鉛バッテリーの蓄電量は4割程度しか使えない!

 ここで一つ重要なことを理解しておく必要があります。

前段でバッテリーの蓄電量の説明をしましたが、通常の鉛バッテリーの場合は蓄電量を全て使い切ることが実際にはできません。(驚!)

鉛バッテリーは電力が消費されてくると電圧が徐々に減少するという特性があるからです。

個体によりますが概ね蓄電量が60%程度になってくると規格電圧の12Vに対して11Vを下回り始めます。11Vを下回るとインバーターで変換しいてる交流電源(AC)も減少して家電製品が次々と止まり始めるのです。


 熱帯夜のエアコンを掛けた場合の車中泊に話しを戻します。

上記の単純計算で考えた場合、就寝前からエアコンを掛けていたり、他の電気製品の使用状況によっては一晩持たない可能性があります。


改めて計算してみるとこんな感じです。

 【実際の前提条件】

  ・蓄電量:1440Wh=3600Wh×40%

  ・就寝時間:6時間

  ・稼働製品:エアコン(150W)、冷蔵庫(30W)、換気扇(10W)

  ・合計電力:190W


朝起きるまでに消費する総電力は190W×6Hで1140Whでしたから一晩で実質的な安定電力の約79%を消費することになります。


こうなると起床後に使える電気製品に支障がある可能性がありますし、翌日はしっかりと充電をしないと二日目の夜は同様に過ごせなるなる可能性が高くなります。

ここは是非ご注意下さい。


 対策としてリチウムイオンバッテリーがあります。

 リチウムイオンバッテリーは蓄電量がなくなる直前まで残電圧が減少しにくいという強みがあります。この強みを利用できれば稼働時間を大きく延ばすことが期待できます。

 以前のリチウムイオンは発火事故のリスクがあって敬遠されていましたが、安定性が向上してきた結果、キャンピングカーへの搭載も少しづつ増えてきました。

 但し翌日に充電しなければならないという課題は変わることはありません。

また鉛バッテリーと比較してコストが4~5倍程度高くなりますので費用対効果をよく考えて選択しましょう。



★おすすめのお買い得鉛バッテリー




★おすすめの信頼できるリチウムイオンバッテリー





2.インバーター

 家電を利用する時はサブバッテリーの直流電源(DC)では動かすことができないのでインバーターを介して交流電源(AC)に変換する必要があります。ワット数は瞬間最大消費量で検討して下さい。電子レンジやエアコンなどを導入する場合は瞬間的に1000Wを超えることがありますので1500W以上を導入する方がほとんどです。



★オススメの信頼できる正弦波インバーター(1500W)






3.供給源と充電力

 電気を蓄えるための電力供給源には3つあります。


①走行充電

 乗用車と同じように走行すれば充電されます。但し自動車走行用のメインバッテリーを優先して充電する配線となっていることがほとんどなので場合によっては日中ずっと走っても満充電にならないことがあるので注意が必要です。


 最近ではサブバッテリーの走行充電をより高速に行うためのブーストパーツが販売されているのでこれを装着するのは効果的と言えます。


 【メリット】

  ・移動中に充電ができる。

  ・通常のキャンピングカーであれば特に部品の装着が必要ない。

  ・ブーストパーツを装着するとより高速に充電ができる


 【デメリット】

  ・長期時間走行しないと満充電になりにくい。

  ・メインバッテリーが優先されるので充電効率が上がらない場合がある。

  ・2日以上滞在の場合には向かない。

  ・ブーストパーツは高額。



★オススメの高速充電システム ※2つの組合せで効果が最大










②ソーラー充電

 ソーラーパネルを設置して太陽光発電を供給源とする車両も多くあります。

ただ太陽光発電もメリデメを正しく理解しておくことが重要です。


 【メリット】

  ・晴れていれば何もしなくても充電してくれる。

  ・充電自体にコストがかからない。


 【デメリット】

  ・日中で晴れていないと充電しないか充電効率が悪い。

  ・晴れていたとしても充電スピードはあまり早くない。

  ・設置コストが高い。15~30万円


 ソーラー充電の最大のメリットは日の当たる場所にさえ駐車しておけば勝手に充電をしてくれる点です。例えば週末に利用すること多い方は常に満充電になっていることが期待できるのでニーズに合っていると思います。

 逆に旅の途中でバッテリーを使い切ってしまった場合、ソーラー充電ではすぐに充電レベルを上げることができないのです。雨天や曇天が続いた場合は最悪です。




③外部電源充電


 スマホの充電のように車体に家庭用電源を直接接続して充電する方法が外部電源充電です。

このメリデメも良く理解しておきましょう。


 【メリット】

  ・家庭用100Vの安定した電源による充電なので最も効率よく充電できる。

  ・接続したままにしておけばバッテリーの残電圧を気にすることなく電気製品を使用

   し続けられる。


 【デメリット】

  ・電源のある場所が無ければ充電できない。※そして少ない。

  ・電源施設は利用料金がかかる場合が多い。



4.コスト(費用対効果)

 電力源の導入の注意事項について、①蓄電量(バッテリー)、②インバーター、③供給源と充電力のそれぞれについて特徴とメリデメを見てきました。

 この章では導入費用を見ていきたいと思います。


①バッテリー

 既述のとおりバッテリーには廉価な鉛バッテリーと高性能のリチウムイオンバッテリーの二種類あります。amazonを参考に価格を比較すると以下のとおりです。


 ★人気の鉛バッテリー

 ・蓄電容量:12V×115Ah=1,380Wh

 ・充電回数:放電深度50%で400回

 ・重  量:26Kg

 ・寿命年数:2~3年程度

 ・販売価格:¥13,291 ※投稿時現在



 ★評価の高いリチウムイオンバッテリー

 ・蓄電容量:12V×100Ah=1,200Wh

 ・充電回数:放電深度95%で4,000回

 ・重  量:11Kg

 ・寿命年数:10年程度

 ・販売価格:¥51,299 ※投稿時現在



②インバーター

 インバーターは正弦波とサイン波(疑似正弦波)の二種類があります。

サイン波はモーターを部品として使っている製品や電波を使う製品だと正常に動作しない場合が多いので特段の事情が無ければ正弦波購入するようにしましょう。

そのうえで、使用する総電力量を考えて出力別に製品を選んでください。

例えばエアコンや電子レンジのような大電力を必要する家電を搭載する場合は1500W以上。しない場合は350W程度のもので良いと思います。



★信頼できる正弦波インバーター(1500W)

 ・重  量:3.7Kg

 ・出  力:1500W

 ・販売価格:¥125,460 ※投稿時現在




★信頼できる正弦波インバーター(350W)

 ・重  量:1.7Kg

 ・出  力:350W

 ・販売価格:¥36,630 ※投稿時現在





③CTEK充電システム

 先ほどご説明させて頂いた通り走行充電は特段のパーツを購入しなくても

一般的なキャンピングカーなら充電できますが、エアコンなどを搭載していて走行中もより効率よく充電をしたい場合はブーストパーツを購入すると良いでしょう。

この分野で信用と実績があるのはCTEKのみです。

★信用と実績のある高速充電システム ※2つの組合せで効果が最大

 ・重  量:700g

 ・販売価格:¥49,500 ※投稿時現在


 ・重  量:700g

 ・販売価格:¥51,700 ※投稿時現在






④ソーラーシステム

 ソーラー充電システムのコストはコスト変動が高い領域です。

性能は向上してコストは下がり続けてます。但しほとんどが中国製に

依存しており、コストばかりを重視し過ぎてしまうと期待値が伴わない製品を掴んでしまうことがあるいので評判を調べて選択することをお勧めします。

★コスパの高いソーラーパネルキット

 ・AC電流:5.55A

 ・最大電力:100W

 ・販売価格:¥14,490 ※投稿時現在





■(まとめ)目的と手段が逆にならないように

 キャンピングカーの電気事情は如何でしたでしょうか。


ご存じのこともあったかと思いますが参考にして頂ければ幸いです。


 初めてキャンピングカーの購入を考えている方にとっては検討すべきことが多くあって、金額も嵩むところが悩ましいところです。イメージしている購入目的をなるべく具体的にしたうえで検討項目の整理と項目ごとの優先順位を決めて検討を深めて頂ければと思います。


 また老婆心ながらアドバイスを申し上げますと購入後、経験を重ねていくと利用の仕方も少しづつ変化してしていきます。それも想定しておいて少し柔軟性を持たせたチョイスをしておくのが良いのではないでしょうか。

もちろんレンタルでまず体験するというのも良い選択だと思います。

また結果として所有よりは都度レンタルのほうがお手軽で合理的ということはキャンピングカーに限った話しではないことは皆さんご存じの通りです。


 購入検討で熟慮に熟慮を重ねていくといつの間にか予算一杯まで装備できるものを購入することが目的になってしまうことがあります。そんな時はあえて一旦思考を停止して(実現したい)目的と(そのための)手段を再確認してみることが大切なのではないでしょうか。



最後までお読み頂きましてありがとうございました。







閲覧数:3,374回0件のコメント
bottom of page